2005年03月13日

とても寒い朝

宮崎県上鹿川や福岡市近郊でのフライフィッシング

天気予報は、今日も九州北部の平野部で10センチメートルの積雪を予報しています。先週も同じ予報を言っていたような気がします。たかだか10センチじゃないか、昔山に行っていた頃には一晩でテントが埋まったり、山小屋が埋まってしまったりしていました、川におちたクライマーはへちゃらです。友人を誘い近所の川へ行こうと家を出ます。

家を出ると、空に白いものが舞っています、雪が降り出しました。目覚めたときよりも気温も下がっているようです。こりゃ駄目だなと思いつつ友人宅を訪ね、おきまりの挨拶をしますが、いつものように断られてしまいます。甥っ子にも念のため電話しますが、今日は仕事が入っているそうです。

しかたないので、1人で行くことにしアメダスで気象の分析を行います。感じていたとおり、目覚めたときより気温が下がっています。やっぱり駄目なんだと思いながら、ちょっと横になることにします。

寒々しい渓

宮崎県上鹿川や福岡市近郊でのフライフィッシング

気が付くと、お昼になっています、あわてて家を出て渓へ向かいます。車窓から予定していた渓が見えますが上半分が雪に覆われています、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」何ぞを歌います。時計は1時を廻っています、「こりゃ時間が無いな」と言い訳をして林道に沿って流れる渓へ行くことにします。

昨年、山桜の終わりに訪れたきりの渓は、荒廃が進んでいます。昨年ヤマメをつった堰堤の下はすっかり土砂に埋まり、河原には転石ばかりが転がり、様相が一変しています。去年でさえ渓相の変化に落胆していましたが、もっとひどい状態になっています。福岡市はこの辺り一帯を自然と親しむエリアとして整備しようとしていますが、福岡県は林道を造り森林の整備をしようとしています。この辺りの杉は戦後植林され、その後放置されていました。放置していても月日が経てば木は育ち伐採する時期になっています。

漁業権に対する自問自答

それじゃあ漁業権はどうなっているのと言えば、平成15(2004)年5月28日付け「十五内水管委告示第一号」で魚種別増殖目標数値が告示されていますが、この川の漁業権(福岡県内共第4号)は、魚種ごとに定められていますが、「やまめ」については「種苗放流」と言う「増殖方法」で年間「1千尾」もの「目標数量」を行わなければならないそうです(詳しくは、平成15年5月28日、福岡県公報第2103号をご覧ください)。年間1千尾の「やまめ」を放流しているとしたら、
1000÷(4×7)=35.71
貴方が今日36人目の釣り人だとしたら厳格な「C&R」を行う義務があります。そうしないと期間の最後まで渓魚が棲む流れではないはずです。でも、今日14人目の釣り人が2尾持って帰ったらこの数式は成り立ちません、夏休みに少年少女がつりを楽しむこともできなくなります。訳の分からぬ事を考えながら竿を振っていると雪が激しくなってきます、一段と冷え込んできました。

一人でアカペラ

「津軽海峡・冬景色」作詞:阿久悠  作曲:三木たかし

石川さゆりは難しくてうまく歌えません。渓魚も釣れないので、河原のヨモギを摘んで帰ることにします。久しぶりに天ぷらを食すことにしましょう。

国破山河在。日本は60年前に戦争に勝ったのでしょうか。