お、お、お客さん大変です
遠い北の島に巣くう悪魔から連絡です
東の果てに巣くう悪魔の願いを聞き届けてくれるそうです
一昨日ひと樽全部を瓶詰めにして送りつけてきました
以前のものの隣で寝ていたようです
貯金を全部吐き出しな。足りなきゃ、借金でもするんだな
2007年7月17日
昨年407本瓶詰めされたうち7本ほど飲んでしまった酒が手にはいるそうです。
東の果てに巣くう悪魔の家来の願いを、輸入元が聞き入れてくれます。
輸入元は、瓶詰め業者に国際電話をしたり、北の島に巣くう悪魔に交渉してくれたそうです。ひと樽だけ特別に瓶詰めすることになったそうです。
特注品なので、瓶もラベルも不揃いだそうですが、中身は保証書附きです。当然、独占することにします。
封を切り、グラスに注ぎます。色は以前のものと変わりません。
香りを確かめます、少しちがうようです。口に含み舌の上を転がします。咽から胃へしみこませます。やはり少しちがいます。
薫りが少ないようです、あたりも少しきついようです。
2杯目が注がれます、気分も落ち着いたのでカウンターに放っておきました。
何気なく口に含むと、香りたちます。舌の上でとろけ出します。胃に滴り出します。以前のものよりずっと上品な気がします。
悪魔極東連合の御用達とします。誰にも分けてやるものか、と誓いを立てます。みんな笑顔です。でも、今宵も一瓶飲んでしまいます。