あま太郎(閉店しました)
福岡市中央区大手門
あま太郎は、自宅の近所の福岡市中央区大手門商店街にある名物「ちんめん」のお店です。
福岡市で生まれ育った私は、中学生の頃からちんめんは食していました。
中学生の頃は、アイススケートに夢中になって、毎日のように自宅の近所にある福岡市で、昔大相撲やアイススケート場だった、米軍の飛行機格納庫を利用したスポーツ施設へかよっていました。
アイススケートの後にはおなかがぺこぺこになってしまいます。スポーツ施設の隣には、私鉄の駅があり地下街にはおきまりの飲食店街がありました。うどんやカレーやスパゲティーなぞを食していましたが、あま太郎のちんめんもよく食していたものです。
スポーツ施設は、今では福岡市のダウンタウン天神の中心になっている、鉄道会社が開発したビル群の一番最初にできた、ホテルと専門店街の複合ビルになってしまい、駅も新しくなってしまいました。駅の地下街には飲食街ができ当然ちんめんも食せます。でも、なんだかちがいます。若者の街には、おばちゃんの店員さんがいません。
「あま太郎」って、どんなお店
おばちゃんが、大手門商店街でお店を始めてもう36年になるそうです。最初は天神のお店で働いていたそうですが、なくなったご主人と二人で暖簾を分けてもらい大手門商店街で開店したそうです。ご主人が亡くなった後も、おばちゃん一人でお店を守り続けてきたそうです。
そうです、昔ながらのおばちゃんのいるお店なのです。
メニューは
- 大盛り冷やしちんめん
- 冷やしちんめん
- おにぎり
- ホットちんめん
- 親子ちんめん
- 五目ちんめん
他に何もありません。
ご多分に漏れず廃れるばかりの街の小さな商店街で、10人腰掛けると満員になる小さなお店でちんめんだけの商いを続けられています。小さなお子さんを連れたご家族や、姉妹のような親子が訪れる安心できるお店です。
大手門商店街の「あま太郎」で
今朝、テレビを見ていると「冷やしめん」の特集をしていました。急にちんめんを食したくなり、我慢できなくなりました。
自転車にまたがり、大手門商店街へ急行します。目的地は、「あま太郎」。目標は、「冷やしちんめん」。カウンターに腰掛け「おばちゃん、冷やしちんめん大盛り」と注文します。
「冷やしちんめん」
おばちゃんは、福岡にしては少し太めのめんを大鍋でゆで始めます。冷蔵庫からキャベツを取り出し、せん切りにします。時々、鍋からあくを掬いながら、具材の準備を始めます。
めんが、ゆだるとざるに採り冷水で締め、油を少量かけめんになじませます。めんを皿に盛り、キャベツのせん切りをいっぱいのせ、キュウリのせん切りや、薄焼き卵、プレスハム、最期に紅ショウガを山の上にのせ、あっさりとして酸味のない韓国の冷麺に似た汁を丁寧にかけてできあがりです。練り辛子は客の好みで自分で添えます。
大事なのは、あくまでもプレスハム、チャーシューや高級なロースハムではいけません。ちんめんはプレスハムでちんめんになるのです。冷やし中華じゃないのです。
彩りが涼しいでしょう、とおばちゃんが少しだけ自慢げです。