博多ラーメン「しばらく」平和台店。
福岡市中央区大手門
博多ラーメン「しばらく」平和台店は、私が生まれた時からお世話になっている、床屋さんの近所の福岡市中央区大手門にあるラーメン屋さんです。福岡市で自慢できるそして私がフライフィッシングを始めた頃ブルーギルを釣っていた大きな公園、大濠公園から50メートル道路(今は「昭和通り」と名前が変わってしまいました)を福岡市のダンタウン天神へ向かうと、最近できた高層マンションがあります。高層マンションと高層マンションの谷間に博多ラーメン「しばらく」平和台店は、これぞラーメン屋さんと言うべき正統派の店構えで商いをされています。
博多ラーメン「しばらく」って、どんなお店
なぜ、「博多ラーメン」
おまえが嫌いな「博多ラーメン」じゃないかと非難を浴びるかもしれませんが、「しばらく」は正当な「博多」なのです。初代は、大陸から引き揚げられ1953年に福岡市対馬小路で開店されたそうです。本店は、その後いろいろなことがあって現在福岡市早良区西新で営業されたそうです。
対馬小路です、正真正銘の博多です、最近流行の「どこでん博多」「なんでんかんでん博多」「いっしょくたん博多」ではありません。だからでしょうか、「長浜」に近いのに、堂々と「博多」を名乗ってあるのでしょう。
お店の外で、犬がラーメンを食べたそうにご主人様を待っています。ラーメンの薫りをかげば誰だってじっとしていられません、彼は決して「忠犬ハチ公」にはなれません、なれという方が無理です、もしそれを強要するなら動物虐待で世界中から非難を浴びるでしょう。
博多ラーメン「しばらく」平和台店で
大将
大将は、コックコートに身をつつんだ静かな方です。注文を受けても焦ることなく、一見のんびりと麺をゆで始めます、大釜の中で麺を軽く混ぜながら頃合いを見計らって、ゆっくりとした動作で湯切りをされます、麺が飛び跳ねたり、大きな音がしたりすることは決してありません。
湯切りをした麺を小鍋のラーメンスープで軽くゆで直します、こうしないと「旨くならない」そうです。
「しばらく」のラーメン
スープは、最初から小さなあぶくが立っています。決して麺の湯切りが悪くて立つ泡ではありません、スープの粘度が高い証拠です。キクラゲと少し大振りな煮豚、もちろん緑のネギが添えられ、おしゃれに受け皿に乗って配膳されます。レンゲが付いてくるのも「長浜」とちがうような気がします。でも、紅ショウガと擂り胡麻は同じです。
スープはあぶくが立つほど濃厚なはずなのに、さらりとして少し豚の甘みがし不思議な感じです。麺は細めですが麺と麺との間であぶくが残っているところがまた堪りません。
パフォーマンスだけの久留米ラーメン屋で
先日、友人と先輩の墓参の帰りに豚骨ラーメンは久留米が本家本元なので超有名ラーメン屋を訪れました。このお店では、麺の湯切りをする時にお兄ちゃんが麺を空中に放り投げていました。客にだすものを放り投げて調理するなどなんて失礼な店なんだろうと思っていました。それに、いつまで経ってもラーメンが出てきません、替え玉だって注文してからじっと我慢しなければならなかったことに腹を立て二度と行くものか誓いました。
スローハンドの名手
ラーメン屋さんは、サーカスや大道芸では決してありません、一見のんびりとした動作でも全てが計算され無駄を省いた動作こそ必要なのかもしれません。
ラーメンの写真を撮っていると、大将から「そんなに珍しいものじゃないでしょう」と、さらりと言ってのけられました。