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2004年09月26日
今年最後のヤマメつりの日がやってきました。
特殊任務が発令されます。友人と同僚と少年が寝ている間にヤマメをつり、少年に食べてもらうことになりました。朝食も摂らず、後輩と甥っ子と私と3人で小さな枝沢へ向け出発です。この渓の渓魚は、過去の放流の歴史が残っています、そうです、アマゴの血が連綿と流れています。
小さな枝沢を、両岸の薮をかき分け3人で静かにつり上がります、気分は正義の諜報部員か最低最悪のストーカーです。特殊任務の重さが応えたのかなかなかつれません。
やっと後輩の竿が曲がります、少し小さなアマゴが釣れます。小さな朱色の斑点が鰓蓋付近にはっきりと確認できます。魚が悪い訳じゃありません、当然昔放流した人にヤマメとアマゴの重大な差は意識されていなかったはずです。誰が悪い訳じゃありません。
私ときたら、バラしてばかりです。今年のヤマメは先週で終わりなのかなとあきらめ、森の中から2人のつりを見物することにします。
2度の大風で葉を落とした森を歩いていると、森が街で腐れ切った全てのものを浄化させてくれます。なかなかつれない甥っ子や、たまにつれる後輩を見ながらのんびりと森を歩いていきます。
木漏れ日はもう秋です、運動会を知らせる花火が遠くで鳴り響きます。最終地点まで上ってきました、今年最後のヤマメをつろうと小さなプールに毛鉤を静かに落とします。のんびりとヤマメが姿を見せてくれます。少し大きなヤマメがつれました。まだ少し早いようですが、今年のヤマメはおしまいにしましょう。山の神様と、川の神様と、森の神様とすてきな仲間たちに今年1年の感謝をしながら山を下ります。
上鹿川キャンプ場へ戻ると、残された3人は朝食を我慢していたそうです。早速少年と同僚にヤマメを食べてもらいます。みんな笑顔で朝食を摂ります。空腹は最高の調味料です。
少し元気になった同僚と、少し大人になった少年を見送ります。残された4人で午後の予定を立てようとしますが、みんな幸福すぎてこのまま帰ることにします。上鹿川小学校は、今年が最後の運動会です。とても華やかで、少し寂しい運動会に気後れし、こっそりと帰宅することにします。
国道を快適に走行し、矢部町で十数年来お世話になっている「五平太」さんでうまいそばを頂きます。お店の横の桜が季節はずれの花を付けています。
とても早い時間に帰宅できそうなので、今年食べた渓魚の慰霊祭を行うことにします。豊野町でとても感じの良い店員のお嬢さんに感激しながら馬刺を購入し、高速道路を一路慰霊祭会場へと向かいます。
実家の駐車場に車を止め、慰霊祭の準備をします。今年のつりを思い出しながら、隣の酒屋の自販機にどれだけビールが入っているか実験をすることにしました。一度に千円分購入します、6回ほど購入すると売り切れになりました。親爺が早く帰れと怒鳴っています。