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2004年09月18日
先週も上鹿川は雨が降り続きました。
国土交通省の水位計は、五ヶ瀬川の水位がおちていないことを報告しています。でも、天気予報は、今日の午後から回復基調になりそうです。友人を誘いのんびりと午後から出発します。
前回よりも水は少ないようですが、予想どおり綱の瀬川は増水しています。今日はつりはせず、奈須商店の商売を邪魔することにします。お店に着くといつもと少しちがいます。大将が少し寂しそうです、ヨウコさんが実家へ帰省しているそうです。
マッちゃんがお手伝いにきていますが、明日は敬老会が催されるそうで準備も大変のようです。しかたないので、配達のお手伝いをすることにします。
鮮魚のケースにうまそうな秋刀魚を発見しました。上鹿川キャンプ場で炭をおこし、思いっきり煙をだして焼くことにします。「秋刀魚は、上鹿川に限る」、お殿様気分です。
2004年9月19日
朝です、小雨が降っています、流れはまだ落ち着いていません。小さな枝沢へ行くことにします。春に甥っ子と行ったきりの枝沢です。以前からこの渓の渓魚の小さな朱色の斑点が気になっています。
産卵床を荒らさぬよう、可能な限り岩の上を歩いていきます。つれる渓魚は、この小さな流れにしては大きなものが多いのですが、朱色の斑点が有るものばかりです。やはり、アマゴが混ざっているようです。
まあまあの時間で傾斜が変わる地点まで上ってきました。先日来の雨で流れはもっと上部まで続いていますが、山を駆け下り次の薮沢へ向かうことにします。
薮沢へ到着し、休憩していると、雨が強くなってきます。流れもかなり激しくなってきました。かなり危険な状態になっています、あわてて流れを渡り上鹿川キャンプ場へ避難し、午後の天候回復をお祈りすることにします。
ぐっすり寝ていました、目覚めると雨は止んでいます。まだ時間もあります、いつもの渓へ出かけることにします。
水は少し多めな程度です、どんどんつり上がります。少し小さなヤマメは姿を見せてくれますが、前回と同じような状況です。婚姻色になった立派なヤマメはつれません。
大きなプールの向こう岸に小さなへこみがあります、かなり距離はありますが毛鉤がうまい具合に飛んでくれます。少し大きなヤマメが姿を見せてくれます。素早くランディングネットへ誘い込みますが、少し変です。
記念の写真を撮り、毛鉤をはずそうとしますがなかなか外れません。しかも、手が血だらけです、毛鉤も血だらけになっています、岩の上にも血が転々としています。どうやら、舌の付近にある動脈に毛鉤が刺さってしまったようです。何とか毛鉤をはずし、流れに戻そうと試みますが、鰓蓋から血が流れ出して止まらないようです。手の中で弱っていきます、流れにはもう戻れないようです、とどめを刺すことにします。
目的地まで何とかたどり着きます、まず流れ出しに毛鉤を流します、少し小さなヤマメが姿を見せてくれます。2人で1尾のヤマメでは寂しいので、ネットに入れたまま流れに入れ、つりを続けます。その後は、流れが強くなかなかうまくいきません。数尾の渓魚が姿を見せてくれますがうまくいきません。
もうおしまいにします、友人がとどめを刺そうとしたとたんヤマメは流れに戻っていきました。今年ここまで上ってくるのは最後かもしれません。山の神様と、川の神様と、森の神様に1年のお礼をし、山を下ることにします。
上鹿川キャンプ場へ戻り、今年最初のヤマメを頂くことにします。とどめを刺してから、かなりの時間が経っています、少し傷みが出ているようですバター焼きにします。
こんがりと焼いて、芳醇なバターの香りに包まれた、限りなく淡泊な白身を頂きます。ゾウバタは、食に耐えられぬ状態まで傷んでいたので今回は食するのを断念します。
骨と頭部を再度焦がさぬよう最善の注意を払いながら弱火でパリパリの状態まで炒めます。尾鰭や骨を先に食べ、頭部をもっと弱火で炒めていきます。
頭部とゾウバタは、つった者が食べる権利を持っています、私がありがたく頂くことにします。2人で1尾のヤマメを残さず食べました。
交通機関の発達していなかった頃は、渓魚は山里の貴重なタンパク源だったのでしょうが、冷凍技術や交通機関が発達した今日では、海魚は何処でも入手出来るようになっています。とんでもない山奥の温泉旅館でも夕餉に新鮮な刺身が提供されるようになっています、渓魚は別注文の所さえあるぐらいです。でも、昨日の秋刀魚の方が脂がのっておいしかったような気がしたのは私だけではなかったようです。