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2004年08月28日
とても大きな台風が近づいています。
先週友人とビールを飲みながら、久しぶりに上鹿川へ行くことに決めました。でも、九州の南方海上にチャバと名乗るやっかいなヤツがやってきました。とても強くて、とても大きなヤツだそうです。宮崎県北部山沿いの天気予報は土曜日から雨になるそうです。ヤツが近づく前に釣りをして逃げ出そうと思いましたが、友人から、とても無理だと忠告を受けました。
しかたないので、福岡で釣りをすることにします。友人も1年ぶりの薮沢登りです、逃げ帰るのが容易な渓に決めます。ついでに、甥っ子にもメールを入れます、彼も夏の間体調を崩していたので釣りに行けませんでした。小さな薮沢ですが3人でのんびりと釣りをして、秋の上鹿川での釣りの予行演習をすることにします。
いつもの車止めに9時に集合することにします。いつものコンビニで3人分の食料と3人分のビールを買い込み、農道改修工事中の荒れた道をおそるおそる登っていくと、後方から甥っ子も到着します。でも、大変なことになりました、甥っ子も3人分の食料と3人分のビールを買ってきたそうです。
6人分の食料と6人分のビールを持って出発です。山道を少しだけ登り渓へ下ります、あまりに多量の食料とビールを何とかしなくてはいけません。準備をしながら早速ビールを飲むことにします。今回は積極的にビールを消費する方法で荷物を軽くすることに決定します。
今回は3人なので、私は、ウエットを試すことにします、私なりに少し大きめの#12に巻いてみましたが毛鉤が何処をどんなように流れているかまったくわかりません。今日は我慢の釣りをすることにします。中間部を越えこの渓にしては大きめのプールにさしかかります。
友人が慎重に毛鉤を流していると、下から白い頭が近づいてきます。そうです、私たち薮沢をこよなく愛する者の天敵、沢登りの人です、それも積極的に流れに入る人のようです。彼はにこやかにあいさつをして、「失礼します」と言ったかと思うと、プールの中央部を快適そうに登って行くではないですか。あまりのできごとに3人途方に暮れてしまいます。しかたありません、時間を空けるしかないようです、ビールを飲むしかありません。
それからは、まったくつれません、タカハヤすら姿がありません。上流部にさしかかるとさっきの白い頭が下りてきます。彼から、「つれますか」「朝まずめや、夕まずめしかつれないでしょう」と爽やかなあいさつを頂きました。「つれないのはおまえのせいだ」「渓魚は1日中餌を摂っているんだ」「この渓の渓魚が餓死したらおまえのせいだ」と3人大声で心の中でわめき散らかすしかありません。
まったくつれないまま、最後の枝沢までやってきました。ここからは登山道とちがう方へ上ることにします、小さな枝沢ですが、ある滝の下の小さなプールには大きな渓魚がいるはずです。3人で慎重に上っていき、そっとのぞき込むと大きな渓魚と小さな渓魚がのんびりと泳いでいます。甥っ子が慎重にラインを延ばし3人で毛鉤の行方に注目します。小さな渓魚が毛鉤をくわえてくれましたがバラしてしまいます。
仕事があると、甥っ子は山を下ります。残された2人で、登山道沿いの渓をもう少しだけつり上がってみることにします。登山道沿いの渓は途中で何度か伏流になっています。もういないだろうと思っていると、小さな渓魚が姿を見せてくれますが、人通りの多い所なのですっと隠れてしまいます。
渓魚がいることがわかったので勢いづいて釣りに集中します。ふと気づくと、友人が登山道に座り込んでいます。彼は1年ぶりの薮沢登りです、ばてばてに為るのもしかたないことです。今日1日楽しく過ごせたことを山の神様と川の神様と森の神様に感謝し、山を下りることにします。山を下りる途中には小さな花が咲いていました。
帰宅して、上鹿川の雨量計をチェックします。今日1日雨だったようです。