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2007年9月2日
8月2日の台風5号ウサギが大きな災害をもたらしたあと、鹿川のことが心配で堪りませんでした。
ところが実家では、祖母は入院するは、母や父は愛犬を失った喪失感から落ち込むは、私ときたら猛暑に体調を崩すは。とても、鹿川を訪れる状態ではありません。休日には、汗と焦燥感にドロドロになりながら休養するしかありませんでした。
鹿川の話題を取り上げてあるサイトを訪れては、掲示してある写真を拝見させていただき焦燥感のアクセルを踏み込む毎日でした。
やっと鹿川へ
9月も中旬を過ぎると朝晩過ごしやすくなり体調も戻りだし、やっと鹿川へ向かいます。友人は、体調が戻らず今回は1人です。下流部の被害は、拝見させていただいたサイトで想像していたので、上流部を見て回ることにします。
気になる、枝沢へ
一番好きな薮沢へ向かうことにします。西本さんと電話でのお話しで、他の流れに比べると程度は小さいものの、流れがすっかり変わっていることは覚悟できています。いつもの所から流れに入ると、渓はすっかり明るくなっています。いつも目印にしていた大きな岩は、確認できますが深かった淵には砂礫が溜まり、チャラ瀬は砂礫が流され岩盤が露出しています。渓魚の居場所が推測できません。渓魚の姿も確認できません。
以前から渓魚がいたあまり変わらぬ所や、新しくできた渓魚がいそうな所を、ゆっくり時間をかけ丁寧に毛鈎を流すしかないようです。
小さなおさかな発見です
渓魚の反応がありません、渓魚はみんな下流へ流されてしまったのかと不安になります。ふと小さな溜まりをのぞき込むと、小さなおさかなです。とても小さなタカハヤがあわてて逃げ出します。
遊泳能力に劣るタカハヤが残っているのだから、エノハは必ず残っている信じるしかありません。以前から比べると3分の1程度になったプールに毛鈎を流すと、元気なやまめが飛び出してくれます。
上流へ、上流へ
一番好きであまり釣れないプールは完全に埋まっています。いつもなら、釣りを終える地点も岩の奥の深みが無くなっています。
時間もまだ余裕があるので、上流域へ釣り上がることにします。落差があったところでは、以前にも増して落差が出たようです。新たに岩が積み重なっています。
新しい岩は不安定です。昔やっていた、ボロボロのルンゼ登り思い出しながら、岩に挟まった石ころさえ動かさぬよう慎重に越えていきます。
だいぶ上流まで上り詰めましたが、渓魚の影はありません。流れから出ることにします。上鹿川キャンプ場へ戻り、休憩することにします。
下流へ、下流へ
仮眠をとり疲れも少し取れたので、下流へ車で向かいます。車窓越しに、すっかり変わってしまった綱の瀬川が流れています。下鹿川と釣鐘橋の間はどうなっているか、大淵はどうなんだ、と思いながら下鹿川へ向け車で移動です。
淵という淵は、砂礫に埋め尽くされています。みんな、広々とした瀬になっています。
大きくてとても深い淵にいた渓魚たちはどうなったのかな。バックキャストには気を払う必要が無くなったかもしれませんが、流れが速い部分が増え釣るのが大変になったかな。などと思いながら超低速で車を動かします。西畑ダムは、西畑の瀬になっています、また浚渫するのだろうか大変だな、と思いながら奈須商店へ戻ることにします。
田んぼの河岸が大きくえぐられたところにさしかかると、岩盤の上に大昔堆積した砂礫の層と赤い地層と黒い地層が同じ曲線を描いています。河川に新たに堆積した砂礫も同じ曲線を描いています。上鹿川の盆地が出来た過程が想像できます。